舞台『金閣寺』



◆日時:2月26日(土) 13:30
◆会場:キャナルシティ劇場
◆出演:森田剛、高岡蒼甫、大東俊介、中越典子、高橋長英、岡本麗、
   大駱駝艦(田村一行、湯山大一郎、若羽幸平、橋本まつり 
   小田直哉、加藤貴宏)山川冬樹、瑳川哲朗、花王おさむ
   岡田あがさ

「すごい!」とは聞いてたけど、
ほんとにすごいよ森田剛!
アイドルだと思っててごめんなさい!
役者さんなんだ!
森田くんは最初から最後まで全くハケずに
息の詰まるような3時間でした。

またまた難しいテーマなので理解不足ではありますが、
想いだけでも書き留めておこうと思います。

森田くんは吃りの主人公溝口役。
最初の台詞から、え?何?とハッとします。
吃り役となれば、リキんだり、肩に力が入ったりしそうじゃない?
それが全くない。
静かにその人自身としてしゃべる。
「ぼく、溝口ですけど、何か?」くらいの当たり前感で。
それでいて、言葉の最初が出せないことで
外界との間に鍵がかかっている苦悶の表情。
ラストの大事なひとことも、小さな声で発するのです。
見ぶりとか声の大きさとか、そんなものに頼らず表現できるなんて!

三島由紀夫と言えば「美」がテーマだとは思いつつ、
今回印象的だったのは、溝口の内と外、自分と他者の間の壁。
母親、住職、友達にもっと自分に詰め寄って欲しいと熱望しながら
それが叶わず、全ては自分の内に。
住職は罪を叱咤することなく、沈黙という最大の罰を与え、
友人鶴川は溝口に本心を打ち明けることなく自殺する。
なんだかなあ…誰からも返ってこないのよ。
自分ってなんなんだろうって。
人の存在価値って、他者からの反応あってこそのものなのかもね。
とにかく、森田くんは溝口になりきっていた。

それと、亜門さんの演出ですね。
今回は、ダンスシーンもないのでどうなるんだろうと思っていたら、
舞踏集団の「大駱駝艦」さんたちを起用されていました。
役者さんとしても登場するのですが、
舞台装置も大駱駝艦さんたちが人力で移動し、組み立て、
時には自分たちが舞台セットの一部になります。
その動きがね、さすが舞踏家なの。
ずれると台無しの移動をピンシャン動いて、
台詞が始まるとシュル〜リと机の下に消えて行く。
でも、時には下からウヨウヨ動いたり。
こういう踊りの楽しみ方もあるのねって目から鱗。

金閣寺を人が表す発想も常人じゃないよね。
ホーメイ歌手という初耳のジャンルからのキャスティング。
この金閣寺・山川さんが登場すると、
溝口がやっとこさ開こうとした外界との接触は断ち切られる。
耳鳴りのような頭の痛くなる音を出すから
出て来ただけで、嫌〜な雰囲気が漂う。

舞台セットもシンプルなのに、
それが畳の間になったり、道になったり。
この創造・想像力も感動的。

そもそも、スタートは学校の教室のようなところに
今風の若者がばらばらっといるところから始まるの。
そこから一人ずつ小説の朗読を始めて、
スコ〜ンと『金閣寺』の世界に落ちる。

高岡蒼甫くん、へ〜いいじゃん。
大東俊介くん、不気味な程に「いい人」の役ぴったりだった。
ドラマよりずっといいわ。
中越典子さん、気っぷのいい女優さんね。艶もあって見応えあり。
これも役者さんの魅力を最大限に引き出す亜門さんの力だと思う。

大変いいもの観させていただきました☆




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