こまつ座公演『木の上の軍隊』

■日時:2019年7月14日(日)12:30
■会場:ももちパレス
■原案:井上ひさし
■作:蓬莱竜太
■演出:栗山民也
■出演:山西惇(上官)、松下洸平(新兵)、普天間かおり(語る女)

母親が市民劇場に入ってまして、
脚の怪我で行けず、チケットあるよというので
急遽行ってきました。

戦時中の沖縄。2人の兵士が追い詰められて
ガジュマルの木の上に身を隠し、
終戦も知らずに2年間を木の上で過ごす。

戦争の話だけど、井上作品なので
それを悲惨に示すのではなく、
笑いを交える。それ故にさらに痛ましい。

日本人たるもの、敵軍の食料なんて口にできるか!
と大見得を切っても、
豊かな物資に次第に目がくらみ、毎晩盗み、欲に溺れる上官。
ズルさが顔を出してくる。
さらに、新兵さえいければ独り占めできるのに。
そして、終戦に途中気づきながら、
今更帰って恥をさらすわけにもいかず、知らないふりをする。

新兵役の松下洸平くん、
テレビ『カラマーゾフの兄弟』で気になってはいたものの、
舞台では初見。
期待していた以上でした。
前回この役は藤原竜也くんでしたよね。
井上さんは藤原くんにアテガキしたようですが、
藤原くんだと色が強いから、
純朴な新兵は松下くんの方があってたんじゃないかな。
愛する沖縄。沖縄と自分の家族や知人たちを守るために
真っすぐな気持ちで志願した新兵。

新兵は純朴で、素直に上官に従いつつ、
仲間の死を目にし上官の醜さや本土の沖縄への扱いに
気持ちが積もっていく。

普天間さんの歌が暗い話を情感豊かにしてくれ、
松井るみさんのガジュマルは
2人を絡めるような抱くような。
まるで動き出しそうだった。

でも、そもそも戦争さえなければ
2人がこんな2年を過ごすこともなかった。
究極のテーマは平和。

でも、個人的には沖縄以外の人間は何にもわかってないってことを
突き付けられた。
上官は結局本土に帰っていくわけだし、
犠牲になった沖縄には何の補償もなく、
さらに、ラストではオスプレイの爆音が鳴り響く。
これからも犠牲を強いられていく。

わかってないってことに初めて気づかされたけれど
わかってないことに変わりない。
気づいたことだけで少し許してほしいという気になった。

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