中村哲医師講演会 その2

先日の続き書きます。

中村医師のお話で一番印象に残ったのは
マスコミの報道がご都合主義であることと、
自分がまんまとそれを受け取っている浅はかさ。

「アフガニスタン」と聞いて「紛争」とか「テロリスト」
が浮かぶのはsasaだけではないと思う。
TVに映るのは一般人にも銃を向ける様子だし、
なにか事件が起きると「アフガン勢力」なんて文字を見ることも多い。
「タリバン」だって悪の根源だと思っていたのは、
タリバン政権が崩壊した時にTVに何度も何度も映ったのが
「タリバン崩壊で歓喜の声をあげる女性たち」の図だったから。
国民あげて大喜びしているかと思った。
そして、その報道のままに受け入れたということは、
イメージは報道によっていかにでも操作されるのだ。

でも、実際に活動を続けてきた中村医師によると、
タリバンのおかげでそれまで少なくとも安全と秩序は守られていたとのこと。
崩壊から1年で麻薬栽培は広がり、女性は売春を始めた。
外部からの誘惑や悪が入り込む余地も開放された。
それはタリバン下ではなかったこと。
安全は守られていたので、以前の方が支援活動はやりやすかった。

特に「9.11」の後はひどく、
当時、帰国した時の日本人にさえ異様な空気が流れていたらしい。
テロリスト=イスラム教に全世界で報復だ!でしたからね。

TVでは軍事評論家が
「テロリストだけをピンポイントで狙う攻撃なので大丈夫♪」
などというとんでもないことを言っていて、
「じゃあ、お前、そこに行ってみろ」と言いたかった。

ほとんどが山の国なので、報道されているのは報道陣が行きやすい
車で動ける平地。
山の壁面にある村なんて誰も行きません。
普段の人々の暮らしなんてスクープにはならないから報道しません。

アフガニスタンは農業の国でほとんどが農民、食料自給率100%。
願うところは
「三度のご飯が食べられること」
「自分の生まれ育った土地で家族と暮らすこと」
なんてイメージ、日本人は全くもってないと思う。

中村医師自身も、日本に帰って、好きな昆虫採集をして暮らしたい
という気持ちはあるけれども、どうしてそうしないかというと
弾が飛んできた時に「ドクター危ない!」と言って
身体をはって弾よけになる現地の人々がいる。
そんなことされたら帰れないよなあって。

中村医師は西南中学校出身というだけにクリスチャンです。
ほぼ100%がイスラム教のアフガニスタンで、
彼らの信仰も尊重しながら活動されています。
アフガニスタンというのは、高い山が多い
→深い谷が多い→谷ごとに多種多様な民族が暮らしている。
国家として全てを掌握するのは難しく、それを束ねるのがイスラム教。
講演でも「イスラム原理派」などという言葉ではなく、
「大変保守的なイスラム教」という言葉を使われました。

それでいて、ご自身で語られることはありませんが、
その根本には確固としてキリスト教があるんだなあと思ったのは
客席からの質問で聞かれた時に
「神は我らと共にある」という言葉をいつももっている
と静かに話されました。

質問の最初にみなさん賛辞を口にするのですが、
それはすぐに遮って「早く質問を始めてください」と言われます。
「偉大な活動」とか「これからは全ての人々が奉仕すべきだ!」
とかいう茶番的な意見には耳を貸しません。
自分が褒められたり、口で言うだけでは、
それがアフガニスタンのためにはなることはない
と実感されているのだと思います。
「先生の心は愛です!」みたいな意見にも
「いえ、義理と人情です」とさらりと言われる潔さ。

農業面からの支援を志す学生からの質問には
「大人の言うことは信用しないでください」。

社会や政治に疎く、不勉強なsasaでありますが、
情報を安易に鵜呑みにしないこと、
勢いに流されそうな時に立ち止まって考えてみること、
の大切さを痛感しました。

コメント

  1. taki より:

    講演会記事、2回にわたり興味深く読みました。
    すごくいい講演だったようね。私もいろいろ考えたよ。
    こんな講演会に行く機会があっていいね♪

  2. sasa より:

    ★takiちゃん
    概要くらいは知ってたけど、やはり生で聞くと、お人柄もわかるね。
    会場も西南のチャペルだったから会場にはキリスト教の方が多く、
    takiちゃんだったらもっと思う所あったかも。
    帰国の際にはあちこちで講演されていると思うので、
    (活動の内容を知ってもらう&寄付も重要なので)
    きっと近くで講演の機会あると思うよ。
    その時は是非!

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